
株価を自動取得する方法とは?安全・確実な情報収集はプロにお任せ
株価データは、市場動向の分析や経営判断において欠かせない情報のひとつです。しかし、手動での収集や更新には手間がかかり、タイムリーな意思決定が難しくなることもあります。
そこで注目されているのが、株価情報の「自動取得」です。ツールやプログラムを活用すれば、最新の株価をリアルタイムで取得・更新でき、調査やレポート作成の効率が飛躍的に向上します。
本記事では、ExcelやGoogleスプレッドシート、Pythonなどを使った具体的な方法から、専門業者に依頼して構築する本格的なシステム開発まで、幅広い選択肢を紹介します。
リアルタイムで株価を自動取得する方法とは?
株価データをリアルタイムで取得・管理したい企業担当者にとって、手動での更新は時間と労力の無駄になりがちです。そこで有効なのが、株価の自動取得です。
自動化により、必要なデータを常に最新の状態で収集・分析でき、リサーチ精度も向上します。
株価を自動取得する方法として、以下が挙げられます。
- Excelの機能を使う方法
- スプレッドシート(GAS)を使う方法
- Pythonを使う方法
- Webクローラーを自社で開発しスクレイピングする方法
- システム開発を専門で扱う業者に依頼する方法
それぞれ、詳しく紹介します。
Excelの機能を使う方法
Microsoft Excelには「STOCKHISTORY関数」という機能があり、銘柄や期間を指定するだけで株価情報を自動で取得できます。
ただし、この機能は米国など海外の株式市場に対応しており、日本の証券取引所に上場する銘柄のリアルタイム株価は取得できません。海外株のリサーチには便利ですが、国内市場を対象とする企業にとっては不十分です。加えて、リアルタイム性や取得頻度に制限がある点も注意が必要です。
スプレッドシート(GAS)を使う方法
GoogleスプレッドシートとGoogleファイナンスをGoogle Apps Script(GAS)で連携させることで、スクレイピングによって株価を自動取得できます。
この方法であれば、米国株だけではなく国内株の情報も取得できる点が魅力です。しかし、株価を公開しているWEBサイトの中にはスクレイピングを禁止しているものもあるため、必ずGoogleファイナンスの「robot.txt」を確認しましょう。
実際に「robot.txt」を見ると、「Allow: /finance」という記述があるため、個人利用範囲内でのスクレイピングは問題ないと判断できます。
この方法は無料で始められ、柔軟にカスタマイズできる点が魅力ですが、取得元サイトの構造変更やアクセス制限に対応する保守性も求められます。スクリプトの作成には一定のプログラミング知識が必要です。
GASでスクレイピングを行う場合のサンプルコードなどは、以下の記事で詳しく紹介しています。
GASを使ってWebスクレイピングを実行する手順を紹介。メリット・デメリットも
Pythonを使う方法
Pythonには、株価の自動取得に便利なライブラリが多数存在します。代表的なものに「yfinance」や「pandas-datareader」などがあり、これらを使えば数行のコードで海外株式のデータを取得できます。
ただし、日本株のリアルタイムデータを取得するには制限が多く、無料で安定した国内株の情報を取得するのは難しいのが現状です。加えて、APIの利用制限や仕様変更にも対応する必要があるため、継続的な運用にはエンジニアリングの知識とメンテナンス体制が求められます。
Webクローラーを自社で開発しスクレイピングする方法
社内でWebクローラーを構築し、証券会社がWEB上で公開している情報などから株価情報を自動で取得することも技術的には可能です。ただし、スクレイピングは対象サイトの利用規約に違反する可能性があり、法的リスクを伴うことがあります。
特に商用利用や継続的な大量アクセスは注意が必要です。また、取得元サイトの構成変更によりデータが取得できなくなるリスクもあります。こうした観点からも、スクレイピングはあくまで限定的・自己責任の方法と考えるべきです。
システム開発を専門で扱う業者に依頼する方法
より正確かつ安全に株価データを取得したい場合、証券会社や日本取引所グループ(JPX)などが提供する正式なAPIを活用し、システムを構築する方法が最も信頼性に優れています。
APIの仕様に沿ってプログラムを開発する必要がありますが、外部の開発業者に依頼すれば、セキュリティや保守性も担保され、安定した運用が可能になります。
社内にIT人材がいない場合や法的リスクを避けたい企業には、プロによる開発委託が最適な選択肢です。
社内でシステムを構築してスクレイピングを行う際の注意点
自社内でスクレイピングによる株価取得システムを開発すれば、低コストで柔軟に運用できるメリットがあります。しかし、その一方でいくつかの注意点を押さえておく必要があります。ここでは、スクレイピングを行う上で知っておくべき代表的な注意点を3つに分けて解説します。
- スクレイピングを禁止しているサイトがある
- スクレイピングによってアクセス制限を受ける可能性がある
- 処理のスピードやデータ量に制限が発生する場合がある
安全にスクレイピングを実施する方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
スクレイピングは違法?安全に実施するための対策とおすすめサービスを紹介
スクレイピングを禁止しているサイトがある
株価情報を提供している多くのサイトでは、利用規約でスクレイピングを禁止しています。
たとえば、Yahoo!ファイナンスなどでは商用利用や自動取得によるデータ収集を明確に制限している場合があり、違反すると法的措置を取られる可能性もあります。スクレイピングの可否は、対象サイトの「利用規約」「robots.txt」などで必ず確認しましょう。
特に商用でのデータ利用を目的とする場合は、クローラーによるスクレイピングではなく、API利用や専用のシステム開発を検討するのが安全です。
スクレイピングによってアクセス制限を受ける可能性がある
一定の頻度や量を超えて対象サイトにアクセスすると、不正アクセスとみなされてIPアドレスがブロックされたり、CAPTCHAによる制限を受けることがあります。これにより、システムが正しく動作しなくなったり、サービス全体に影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。
スクレイピングの頻度を抑える、ランダムな待機時間を設けるなど、アクセス負荷を軽減する工夫が必要です。
処理のスピードやデータ量に制限が発生する場合がある
スクレイピングはWebページをHTMLごと取得して解析するため、APIに比べて処理が遅く、データの正確性にもバラつきが出る場合があります。
また、取得できるデータ量にも限界があり、大量の銘柄を対象とする場合や高頻度で更新が必要なケースでは、実用に耐えないケースも存在することは考慮しておきましょう。
株価を取得するためのシステム開発をプロに依頼すべき理由

株価の自動取得を本格的に運用したい場合、システムの開発・導入は専門業者に依頼するのが最も安全で効率的です。
株価の自動取得システムを実装する際、プロに依頼するべき3つの理由を紹介します。
- 大量のデータを取得できる
- 法的リスクを抑えて安全な情報収集ができる
- 精度の高い情報収集ができる
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
大量のデータを取得できる
専門業者が開発するシステムでは、証券会社や取引所が提供する正規のAPIを活用することで、数百〜数千銘柄におよぶ株価データも安定的かつ高速に取得可能です。
手作業や簡易的なスクレイピングでは到底実現できないデータ量にも対応でき、大規模な分析業務やリアルタイムモニタリングにも応用できます。
業務の拡大や将来的なスケーラビリティにも強いため、長期的なデータ運用にも最適です。
法的リスクを抑えて安全な情報収集ができる
金融データの収集には法的な制約が多く、特にスクレイピングでは利用規約違反や著作権侵害などのリスクが伴います。専門業者であれば、正規のルートからライセンスを取得したAPIや公的機関のデータソースを活用し、合法的かつ安全に情報収集ができる仕組みを設計してくれます。
法務面のチェックも含めてサポートしてもらえるため、コンプライアンスを重視する企業にとっては安心して運用できる選択肢です。
精度の高い情報収集ができる
プロが構築するシステムでは、株価の取得元が明確で信頼性の高いデータソースが使用されるため、取得する情報の正確性・一貫性に優れています。
また、通信エラーや仕様変更などのトラブルに対しても、自動でリカバリする仕組みや監視機能が導入されることが多く、情報の欠損リスクを最小限に抑えることができます。精度の高いデータが手に入ることで、リサーチや分析の信頼性も大きく向上します。
情報収集・分析のためのシステム開発は「シルク・ラボラトリ」へ

「シルク・ラボラトリ」は、Web上のあらゆる情報を収集・分析可能な「シルク・クローラー」を提供し、企業のリサーチ業務を支援しています。競合調査や価格モニタリング、マーケティング支援など多岐にわたる実績があり、目的に応じてカスタマイズも可能です。
ただし、今回のように株価情報の取得ではスクレイピングが困難なケースもあります。こうした場合でも、証券会社のAPI活用やJPXの公式データを用いた専用システムの開発を受託可能です。
情報収集から分析まで一貫した支援をご希望の方は、ぜひシルク・ラボラトリにご相談ください。
まとめ
株価の自動取得は、手作業に頼ることなく情報収集を効率化し、意思決定のスピードと精度を高める手段です。Excelやスプレッドシート、Pythonなどの手軽な方法もありますが、リアルタイム性や法的な安全性、大規模なデータ活用を求めるなら、専門業者によるシステム開発が最も確実です。特に「シルク・ラボラトリ」では、スクレイピングやAPI連携によるデータ取得の豊富なノウハウを活かし、企業の情報活用を支援しています。株価データの取得に課題を感じている方は、まずはお気軽にご相談ください。