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スクレイピングを禁止しているサイト6選を紹介。見分け方は?

マーケティングや競合調査、業務効率化を目的にWebスクレイピングを導入したいと考える企業は増えています。しかし、すべてのサイトで自由にスクレイピングできるわけではなく、利用規約で明確に禁止しているサイトも多数存在します。規約に違反した場合、アカウント停止や損害賠償といったリスクを負うことにもなりかねません。

本記事では、スクレイピングが禁止されている代表的なサイトを6つ紹介するとともに、見分け方や安全にスクレイピングを行うためのポイントを解説します。リスクなく情報収集を行いたい方は、ぜひ参考にしてください。

スクレイピング自体は違法ではない

「スクレイピング=違法」といった誤解を持たれがちですが、実際にはWeb上で公開されている情報を取得する行為自体は、原則として違法ではありません。

たとえば、Pythonやツールを使って公開ページのHTML情報を自動で取得するだけであれば、法律に反するわけではありません。ただし、その対象となるサイトの「利用規約」や取得する情報の種類、取得方法によっては、違法性が生じる場合もあります。特に商用目的での利用や、過剰なアクセスには注意が必要です。

安全にスクレイピングを実施する方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

スクレイピングは違法?安全に実施するための対策とおすすめサービスを紹介

違法になる可能性があるケース

以下のようなケースでは、スクレイピングが違法または損害賠償リスクにつながる可能性があります。

  • 利用規約でスクレイピングを明確に禁止している場合

 →民事上の契約違反に問われる可能性があります。

  • 認証が必要なページやログイン後の情報を取得した場合

 →不正アクセス禁止法に抵触する恐れがあります。

  • 著作権のあるコンテンツを無断で再利用した場合

 →著作権法違反に問われる可能性があります。

  • 短時間で大量にアクセスし、サーバーに負荷をかけた場合

 →業務妨害にあたる可能性もあります。

これらのリスクを避けるには、事前にサイトの利用規約を確認することが最も重要です。次のセクションでは、実際にスクレイピングを禁止している代表的なWebサイトを紹介します。

スクレイピングが禁止されているサイト6選

スクレイピングは強力な情報収集手段ですが、多くの大手サイトではその利用を利用規約で明確に禁止しています。対象サイトの情報構造を把握しやすいがゆえに、誤って規約違反となるケースも少なくありません。以下では、特に注意すべき代表的な6つのサイトを紹介します。

  • X(旧Twitter)
  • facebook
  • Youtube
  • Amazon
  • 楽天
  • Yahoo!ファイナンス

これらの有名サイトは、利用規約やヘルプページ上で明示的にスクレイピングを禁止しているため、注意しましょう。それぞれ、詳しく紹介します。

X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は、利用規約で明確にスクレイピングを禁止しています。

APIを通じた情報取得は許可されていますが、HTMLページを直接取得して解析する行為は不正アクセスと見なされる可能性があります。商用利用やボットによる大量取得が発覚すると、アカウントの凍結や法的措置の対象になる場合もあるため、必ず公式APIを利用しましょう。

参考:X_サービス利用規約

facebook

Facebookもまた、スクレイピングに非常に厳しい対応をとることで知られています。

利用規約に加えて、過去には大手企業による無断スクレイピングに対して訴訟を起こした例もあり、リスクが非常に高いサイトです。個人情報の取り扱いやログイン後の画面取得などは、不正アクセス禁止法に抵触する可能性があります。

参考:meta_利用規約

Youtube

YouTubeでは、動画の無断ダウンロードやメタデータのスクレイピングを禁止しています。

とくに再生回数・コメント・チャンネル情報などを自動取得する行為は、利用規約に反するだけでなく、著作権の侵害に発展する恐れもあります。また、YouTubeはGoogleが運営しているため、Googleの利用規約全体も対象となり、制限は厳格です。

参考:YouTube_利用規約

Amazon

Amazonは、スクレイピング対策が非常に高度で、技術的にも厳しい制限が設けられています。

規約でも自動データ取得を禁止しており、ボットアクセスは即座に検知・ブロックされます。商品情報や価格データを自動収集するには、公式のAmazon Product Advertising APIを利用する必要があります。

参考:Amazon.com_利用規約

楽天

楽天も利用規約でスクレイピングを禁止しています。

特に楽天市場においては、店舗ページや商品一覧を自動で収集することは商用利用とみなされ、厳しく制限されています。過去には無断取得による警告やサービス停止の例もあり、安易な実行は大きなリスクを伴います。価格比較やモール分析を目的とする場合でも、楽天APIの利用を前提とすべきです。

参考:楽天ショッピングサービスご利用規約

Yahoo!ファイナンス

株価やニュース情報を提供するYahoo!ファイナンスも、非公式なスクレイピングを禁じています。

特にリアルタイム株価や指標データの取得は、証券会社や取引所と提携した正式ライセンスを前提としており、無断取得は規約違反です。商用利用や社内分析目的でも、利用許諾を得るか、ライセンス付きデータを使うことが推奨されます。

参考:Yahoo!ファイナンス掲載情報の自動取得(スクレイピング)は禁止しています

スクレイピングが禁止されているサイトの見分け方

スクレイピングを安全に実施するには、対象サイトが禁止しているかどうかを事前に判断することが重要です。禁止されているサイトを誤って対象にしてしまうと、アカウント停止や損害賠償など重大なトラブルに発展するおそれがあります。ここでは、スクレイピングの可否を見極めるために確認すべき3つのポイントを紹介します。

  • 利用規約の確認
  • robot.txtの確認
  • サイト管理者への確認

利用規約の確認

最も基本的で確実な方法は、サイトの「利用規約」または「Terms of Service」を確認することです。多くの企業サイトでは、「自動化された手段によるデータ取得は禁止」などの記載があります。

スクレイピングを明示的に禁止していない場合でも、「非公式APIの使用禁止」や「本サービスの情報を再利用してはならない」などの条項がある場合は要注意です。商用目的であれば、特に慎重な判断が求められます。

robot.txtの確認

Webサイトのルートディレクトリにある「robots.txt」ファイルには、検索エンジンやクローラー向けのアクセス許可・禁止の設定が記載されています。

例えば Disallow: / という記述があれば、そのサイト全体へのクローラーアクセスを禁止しているという意味です。ただし、robots.txtは法的拘束力を持つものではなく、あくまで「アクセスの可否に関する意図」を示すものなので、利用規約と併せて判断することが大切です。

サイト管理者への確認

判断が難しい場合や、スクレイピングしたい内容が企業活動に直結する場合は、対象サイトの管理者に直接問い合わせるのが最も確実です。

許諾を得ていれば、後々のトラブルを避けることができます。問い合わせの際は、取得したい情報の範囲や用途、アクセス頻度などを明示すると、具体的な許可や代替手段(APIの提供など)を案内してもらえることもあります。

信頼関係を築きながら、安全な運用を行うことが理想的です。

スクレイピングを安全に行う方法

スクレイピングを効果的に活用するには、法的・倫理的な配慮を怠らないことが大前提です。安易にデータを取得してしまうと、知らないうちに規約違反や法令違反となり、損害賠償や業務停止といったリスクに直面することもあります。ここでは、安全にスクレイピングを行うために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

著作権などを含むデータの扱いに注意する

スクレイピングで取得できるデータの中には、著作権が存在するテキスト・画像・動画などが含まれていることがあります。これらを無断で再利用・転載すると、著作権法違反に問われる可能性があります。特に、コンテンツを二次利用する予定がある場合は、事前にライセンスや許諾の確認を行うことが不可欠です。引用の範囲を超える利用や商用転用には特に注意が必要です。

サーバーに負荷をかけないように配慮する

スクレイピングによるアクセスが対象サイトのサーバーに過度な負荷を与えると、サイト運営者に迷惑をかけるだけでなく、業務妨害と判断される可能性もあります。これを防ぐためには、リクエストの頻度を抑え、ランダムな間隔でアクセスする、夜間など利用が少ない時間帯に実施するなどの配慮が必要です。

アクセス間隔を制御するコードやクローラー設定を導入することで、負荷の最小化を図りましょう。

高性能なクローラーでスクレイピングを行うサービスに相談する

自社での実装に不安がある場合や、大量データを安定的に取得したい場合は、スクレイピングの専門サービスに相談するのが最適です。

たとえば「シルク・ラボラトリ」が提供する「シルク・クローラー」は、対象サイトの構造に応じた最適な設計が可能で、サイトに負荷をかけず高精度で情報を収集できます。法令や利用規約への配慮、保守体制も万全なため、安心してスクレイピングを運用したい企業に最適な選択肢です。

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安全なスクレイピングなら「シルク・ラボラトリ」へ

シルク・ラボラトリ

スクレイピングは非常に有用な技術である一方、法的リスクや技術的な障壁も多く、自社単独で安全に運用するには限界があります。

スクレイピングによる効率的な情報収集を業務に活かしたい企業には、専門知識と実績を備えた外部パートナーの活用が効果的です。

シルク・ラボラトリでは、業務内容や目的に応じて最適なスクレイピング設計を行い、合法かつ安定した情報取得環境の構築を支援しています。

「シルク・クローラー」の強み

「シルククローラー」は、シルク・ラボラトリが自社開発した高性能なWebクローラーです。特定のキーワードや要素に基づいて、複数サイトを自動で巡回・解析し、必要なデータだけを抽出して納品形式に整えることが可能です。業種や要望に沿って柔軟にカスタマイズができるため、多様な業界で導入されています。

大規模かつ継続的なクローリングにも対応しており、常に最新情報をタイムリーに収集したい企業にとって最適なソリューションとなっています。

まとめ

スクレイピングは、自社の情報収集・分析を強化するための強力な手段ですが、対象サイトの利用規約や法律に抵触しないよう慎重な判断が求められます。特に大手プラットフォームでは明確に禁止されているケースが多く、違反した場合のリスクも小さくありません。安全にスクレイピングを運用したい場合は、正しい見分け方と、信頼できるパートナーの活用が鍵になります。トラブルを避けつつ、業務に有効な情報を手に入れたい方は、ぜひシルク・ラボラトリにご相談ください。

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