IoTによる事例6選を業種別に紹介!導入のポイントも詳しく解説

IoT(モノのインターネット)は、さまざまな業界で業務効率化や新しいビジネスモデルの創出に活用されています。

しかし、「自社ではどのように導入すればよいのか」「実際の事例を知りたい」と悩む担当者も少なくありません。

この記事では、IoTの基本的な仕組みから、業種別の導入事例、開発方法や専門サービスを活用するメリットまでをわかりやすく解説します。

IoTとは

IoT(Internet of Things)とは、モノがインターネットを通じてつながり、相互に情報をやり取りする仕組みを指します。センサーや通信機能を搭載したデバイスが、データをリアルタイムで収集・共有し、遠隔操作や自動制御を可能にします。これにより、工場の生産ライン管理やオフィスの省エネ管理、さらには医療・農業・物流といった幅広い分野での効率化が進んでいます。

IoTは単なるデータ収集ツールではなく、業務改善や新たなビジネスモデル創出を支える基盤技術として、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)にも欠かせない存在となっています。

身近なIoT事例

IoTはビジネス領域に限らず、私たちの生活の中にも多く取り入れられています。たとえば、スマートウォッチやフィットネスバンドといったウェアラブルデバイスは、心拍数や歩数、睡眠状態などをリアルタイムで記録し、健康管理に役立つIoT技術です。また、Amazon EchoやGoogle Nestなどのスマートスピーカーも代表的なIoT機器です。音声操作で照明やエアコンを制御できるほか、天気やニュースを確認するなど、生活の利便性を大きく高めています。

このように、IoTはすでに身近なテクノロジーとして広く普及しています。

業種別・IoTの活用事例を紹介

それでは、IoTを活用してビジネスを進化させた企業の事例を、業種別にご紹介します。

  • 【農業】農産物の流通をIoTで効率化
  • 【物流】医薬品輸送の課題をIoTで解決
  • 【自動車】車同士が直接通信して事故を防ぐ
  • 【製造業】センサーで工場のエネルギー使用量を「見える化」
  • 【飲食】AIと画像認識でレジ作業を効率化
  • 【医療】多数の保険制度をプラットフォームで連携

一つずつ、詳しく見ていきましょう。

【農業】農産物の流通をIoTで効率化

エムスクエア・ラボが展開する「やさいバス」は、複数の農家・物流会社・小売店をICTプラットフォームでつなぎ、農産物流通の非効率性を解消するサービスです。この仕組みでは、生産者側がウェブ上で受発注情報を共有し、物流会社に対してQRコードで荷物情報を配信。集配所「バス停」に複数農家の荷物を集約することで、配送回数の削減と物流コストの圧縮を実現しています。

また、物流データの活用を通じて温室効果ガスの排出量試算も可能となっており、環境対応の面でも付加価値があります。

農業現場におけるIoT活用として、「やさいバス」は流通・物流の最適化を軸に、技術と現場の課題を結び付けたモデルケースと言えるでしょう。

参考:スマートIoT推進フォーラム_IoT導入事例

【物流】医薬品輸送の課題をIoTで解決

IoTデバイス「なんつい」を使って医薬品輸送の課題を解決した、ユーピーアールの事例を紹介します。

医薬品の物流では、厚生労働省が定める「医薬品の物流に関する基準(GDP)」への準拠が不可欠でしたが、複数の運送事業者を介した輸送では据え付け型の追跡システム導入が難しいという課題がありました。

「なんつい」は、モバイル型追跡端末により、位置情報・温湿度データをリアルタイムでクラウドに転送する仕組みを構築しています。これにより、トラックの乗り換えや外部協力会社の運送でも、温度管理と位置管理を統一的に実現しました。

さらに、1 台から月単位でレンタルできる点やリチウムイオンバッテリー搭載で長時間運用が可能という仕様もあり、導入コストを抑えながら品質管理を強化できる体制が整っています。

このように、IoTを活用したトレーサビリティとリアルタイム監視により、医薬品輸送のリスクを低減し、輸送品質の向上と運用の効率化を同時に達成した事例と言えます。

参考:upr_IoT活用事例

【自動車】車同士が直接通信して事故を防ぐ

トヨタの「ITS Connect」は、車車間通信(V2V)および路車間通信(V2I)を活用し、運転者が把握しづらい「見通し外」の状況までリアルタイムに検知・通知するIoT技術です。

例えば、交差点での右折時や信号待ちからの発進時、対向車や歩行者・緊急車両の接近を通信によって感知し、音声・画面提示で警告します。

加えて、信号の変化タイマーや、通信レーダークルーズコントロールなどを通じて、交通の流れや車間距離の変動を抑制し、安全運転環境を強化しています。

このようなIoT技術を用いた構造が、交通事故の低減に寄与すると期待されており、同時に新たなモビリティや自動運転への基盤ともなっています。

参考:トヨタ_ITS Connect

【製造業】センサーで工場のエネルギー使用量を「見える化」

沖電気工業(OKI)では、IoTで工場のエネルギー使用量を可視化し、生産現場の省エネを高度化する仕組みを構築しています。

電力・ガス・水・蒸気などを設備やライン単位でリアルタイム計測し、センサーネットワークで一元管理することで、無駄の発生箇所を的確に把握可能です。特にOKIが強みとする920MHz帯マルチホップ無線は、広い工場内に点在するセンサーを柔軟につなぎ、既設設備の再利用やレイアウト変更にも対応。収集データは異常消費の検知や予実管理にも応用でき、現場の省エネ施策を科学的に進める基盤を作り上げました。

参考:OKI_「見える化」からはじめよう!工場のIoT化 導入事例3選

【飲食】AIと画像認識でレジ作業を効率化

ブレインが開発した「BakeryScan」は、ベーカリー店舗において、トレイ上に載せた複数のパンをカメラで撮影し、AIが形・焼き色・大きさを瞬時に識別して会計処理を完了させるレジシステムです。

本システムの導入により、新人スタッフでも1日程度の練習でベテラン並のレジ打ち速度を実現でき、レジ待ち時間の短縮や人件費の削減、教育コストの低減につながっています。

また、AIが識別に自信がない場合には候補商品を画面に表示し、スタッフが簡単に選択できるインターフェースを備えることで、誤認識リスクへの対応も図られており、実運用に即した設計がなされています。

参考: ITmedia_「すごすぎる」――地方のパン屋が“AIレジ”で超絶進化 足かけ10年、たった20人の開発会社の苦労の物語

【医療】多数の保険制度をプラットフォームで連携

日立製作所が、北海道国民健康保険団体連合会と共同で構築した「健康・医療情報分析プラットフォーム KDB Expander」は、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、職域保険の4つの保険制度から得られる健診データ・レセプトデータを制度横断的に集約・分析する仕組みです。

この統合プラットフォームにより、現役世代から高齢者までの健康情報を網羅し、個人の経年推移や地域全体の傾向を可視化できるようになりました。さらに、自治体の保健業務を支援するために約50種類の分析レポートが提供されており、保健師による支援業務の効率化や対象者抽出の自動化にも寄与しています。

参考: HITACHI_ニュースリリース

IoT技術を導入する方法

IoTの導入には、目的・規模・リソースに応じて複数のアプローチがあります。小規模なPoC(概念実証)からスタートする企業もあれば、最初から専門サービスを活用して全体構築を行うケースもあります。

重要なのは、「データをどう活かすか」という観点から、自社の課題や運用体制に最も適した導入方法を選ぶことです。ここでは、代表的な3つの導入手段を紹介します。

自社で開発する

自社でIoTシステムを開発する方法は、柔軟性と独自性の高さが最大のメリットです。

自社の業務フローや製品構造を熟知しているため、目的に合わせて最適なセンサー構成や通信設計を行えます。社内でノウハウを蓄積できる点も大きな強みです。

一方で、ハードウェア・通信・クラウド・セキュリティといった幅広い知識が必要であり、開発コストや期間が長期化するリスクがあります。限られたリソースで開発する場合は、段階的に実証を行うのが現実的です。

IoTツールを導入する

近年では、クラウドベースのIoTプラットフォームやデバイス管理ツールが数多く登場しています。代表例として、AWS IoTやAzure IoT Hubなどがあり、センサー管理やデータ可視化、アラート設定などを簡単に実装できます。自社開発よりも短期間で導入でき、初期費用も比較的抑えられる点が魅力です。

ただし、汎用設計のため自社独自の業務に完全対応させるには限界があります。必要に応じてカスタマイズや外部連携を組み合わせると、より効果的に運用できます。

専門サービスに開発を依頼する

IoTシステムを外部の専門企業に委託する方法は、精度と実現スピードを重視する場合に有効です。要件定義から設計・開発・運用までを一括でサポートしてもらえるため、社内のリソース負担を軽減できます。

特に、異なる機器間の通信やセンサー統合など高度な技術を必要とする場合は、専門家の知見が欠かせません。初期費用は発生しますが、導入後の保守や機能拡張を見据えた長期的な投資として考えると、安定した成果を得やすい方法です。

専門サービスによるIoT開発のメリット

IoTの導入を成功させるには、単にセンサーやデバイスを設置するだけでなく、業務全体に適したシステム設計が不可欠です。専門サービスを利用すれば、設計・開発・運用までをワンストップで任せられるため、技術的な知識がなくてもスムーズに導入できます。さらに、セキュリティ対策やデータ分析基盤の構築など、実運用を見据えたトータルサポートを受けられる点も大きな強みです。

ここでは、専門企業に依頼する3つの主なメリットを紹介します。

  • 自社のサービス・業務に最適なシステムを構築できる
  • セキュリティリスクが低い
  • データの分析や可視化まで依頼できる

自社のサービス・業務に最適なシステムを構築できる

専門サービスに依頼する最大のメリットは、自社の業務フローやサービス内容に合わせたオーダーメイド開発ができる点です。

既存のツールでは難しい機器連携や特殊な通信環境にも対応でき、現場の課題に直結するソリューションを実現します。たとえば、製造業では稼働データの自動取得、物流業では位置情報管理など、業種特化型のIoTシステムを構築可能です。さらに、要件定義から実装、運用まで一貫して支援を受けられるため、品質面でも安心です。

セキュリティリスクが低い

IoT導入時に特に懸念されるのが、デバイスや通信経路を狙ったサイバー攻撃です。専門サービスに開発を依頼することで、暗号化通信・アクセス制御・認証システムなど、最新のセキュリティ技術を導入した堅牢な設計を実現できます。

特に医療・製造・インフラ業界など、機密性の高いデータを扱う領域では、安全性の確保が重要です。セキュリティ要件を踏まえた設計と運用体制を構築できる点で、専門企業への委託はリスク軽減に大きく貢献します。

データの分析や可視化まで依頼できる

IoTの本質的な価値は、取得したデータを分析し、意思決定や業務改善に活かすことにあります。専門サービスに依頼すれば、センサー設計や通信だけでなく、データの可視化ダッシュボードやAI分析基盤の構築まで一貫して任せることが可能です。

たとえば、リアルタイムの稼働状況や温度変化をグラフ化し、異常検知や需要予測に活用するなど、現場に即した分析環境を提供できます。技術的な知識がなくても、専門家の支援によりデータ活用を最大限に引き出せる点が大きな魅力です。

IoT開発なら「シルク・ラボラトリ」

シルク・ラボラトリ

IoTの導入を検討する企業にとって、課題となりやすいのが「どの技術を選ぶべきか」「どう運用に組み込むか」という設計段階の壁です。

シルク・ラボラトリは、IoTシステムの企画から開発・運用までをワンストップで支援し、センサー設計・通信制御・データ可視化といった一連の工程を最適化します。

業種を問わず、製造・物流・医療・研究など多様な領域で実績を持ち、現場課題に即したオーダーメイド開発が可能です。IoTの力をビジネス価値へ変換したい企業にとって、信頼できる開発パートナーといえるでしょう。

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まとめ

IoTは、モノから得られるデータを分析・活用することで、これまでにない効率化と価値創出を実現する技術です。農業・物流・製造・医療など、幅広い業界で導入が進み、現場の課題を解決しています。導入方法には自社開発やツール活用などがありますが、より高精度で安全なシステムを構築するには、専門サービスを利用するのが効果的です。シルク・ラボラトリなら、IoT設計からデータ分析までを一貫してサポートし、貴社のビジネスに最適なIoTソリューションを実現します。

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