風洞模型変形測定

研究・実験・試験現場でも UX 向上を

ソフトウェアによって実現される素晴らしいユーザ・エクスペリエンスは、優雅なアニメーテッド・メニューやタッチ・スクリーンで提供されるものばかりではありません。

精密な測定を実施しなくてはならない実験現場や、大量の試料を試験対象とする試験現場では、ユーザ・エクスペリエンス向上の基本は、「誤りのない測定」・「高速データ処理」・「省力化」であると考えます。「省力化」とは、ユーザ操作を極限まで少なくすること。ユーザ・エクスペリエンスの機会そのものを無くすわけですが、それは逆にUX最大化因子の1つです。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)様で精密な風洞模型変形測定を実施するためのソフトウェア構築をシルク・ラボラトリが初めて担当したのは10年近く前ですが、それ以来、さまざまな増強・変更を経て、風洞模型変形量を測定するために使い続けていただいています。

総計数百点~数千点の測定点を識別する必要のあるキャリブレーションですが、人手を介するのは10点~20点で、後は全測定用マーカー位置をサブピクセル精度で自動識別し、キャリブレーションを完了させます。

写真提供:JAXA(宇宙航空研究開発機構)様

補正・修正のためユーザ介入が必要なケースも、マウス・ホイールで一気に拡大・縮小などの機能で、スムーズな操作を実現します。

写真提供:JAXA(宇宙航空研究開発機構)様

撮影写真枚数は、1日当たり数千枚から、高速度カメラでは数万枚に及び、測定対象となるマーカー数は、数万点~数十万点となります。ここでも、目指すは“ユーザ操作ゼロ” ―――現実には、ユーザ介入が時々必要ですが、最良の測定結果・最速のデータ処理・最良のUXを実現するため、JAXA様とシステム改良を続けています。

写真提供:JAXA(宇宙航空研究開発機構)様